『生きるためのフェミニズム パンとバラと反資本主義』【3刷】
著 堅田香緒里
四六判・並製・192ページ
ISBN978-4-907053-49-9 C0095
2021年7月30日発売
私たちはみな、資本主義という恒常的な災害の被災者である。
パン(金)も、バラ(尊厳)も、両方よこせ!
蔓延する新型ウィルス、パンデミック下で強行される五輪、そして顕在化する不平等や分断。私たちが直面している危機は、COVID-19 によるというよりは元来グローバル資本主義ないしネオリベラリズムという災厄によるものであるー
女性の活躍、ケア労働、路上生活、再開発、生活保護...あらゆる格差、貧困、分断の問題を最新のフェミニズムの視点から読み解き、国内外の事例から日常的で具体的な抵抗の方法を探る。気鋭の社会学者、初の単著。
【目次】
Ⅰ パンとバラのフェミニズム/私たちはみな、資本主義という恒常的な災害の被災者である
パンとバラのストライキ―ローレンスの移民女性労働者たちのストライキ
「活」という名の妖怪―パンを食わせずバラ(のようなもの)を差し出すネオリベラリズム
魔女は禁欲しない―パンもバラもよこせ!
パンデミックにおけるケアインカムの要求
Ⅱ 個人的なことは政治的なこと/路上、工場、周辺の場から
紙の味
現代の屑拾い
無菌化された労働力商品たちの夜
「声」をきくことの無理
Ⅲ ジェントリフィケーションと交差性/日常の抵抗運動
クレンジングされる街で
猫のように体をこすりつけろ
抵抗する庭
「開発」と家父長制
差別の交差性(インターセクショナリティ)
路上のホモソーシャル空間
夜を歩くために
女だからといって、派遣労働者だからといって、仕事や収入を失ったからといって、野宿者だからといって、トランスジェンダーだからといって、殺されてたまるか。誰かの「安全」のために、別の誰かの命や尊厳が犠牲にされるような社会はもうごめんだ。ーこの本は、こうした思いに共鳴して書かれたものである。(「はじめに」より)